藪椿垣根に一つ点るごと



   「アロマ」の句


 鶯の鳴き初めし四月かな

 朝夕に鶯の音を聞いている

 藪椿垣根に一つ点るごと

 里の路長閑歩いて実家まで

 唐招提寺赤い椿を掃き寄せて

 紫の諸喝采咲く入園日

 醍醐寺の門前花の旋風

 黄と白の蒲公英咲いて山陰路

 川縁に蒲公英咲いて駅ホーム

 耶馬渓の蕎麦屋にに蕎麦啜り

 車窓に目を射るかの緋桃見る

 春の野に露光る頃旅を行く

 入学のベストスーツは格子縞


  「村上鬼城」の句

  
 初午や神主もして小百姓

 山寺