お互いさまと笑った彼女は天使だった

震災のニュースに心を痛めるたびに、
思い出す彼女の笑顔。
あの逞しさと明るさは、
私の危機を救ってくれたのだ。
あのバイタリティは、
今もたくさんの人に歓迎されているのだろうな。(ウン)
あの出会いの日々は、
今もはっきり覚えている。

「手伝います、マスター」
 近くの予備校に通う女性だった。
 予備校に通う道沿いで喫茶店をやっていた。時々フラーッと珈琲を飲みに立ち寄る彼女とは話したことはなかった。飲み終わると「ご馳走さん」と笑顔をみせて店を後にするので、なんとなく記憶している。
 いつもは妻と二人で切り盛りするお店も、きょうは