44年ぶりに、つくばへ

 昭和55年(1980年)3月下旬、私は勤務していた都内の女子短大を退職し、近畿地方の田舎の小さな大学に移動することにしました。学部学生・大学院生として、アルバイトをしながらの在学だったし、就職しても、人並みに結婚して、こどもが生まれ、初めてマイホームを持ったりと、生活に追われるうちに、研究者としてはちゃんとした学術論文もないまま、30代の日々を過ごしていました。一念発起して環境を変えて4年制大学へ移動し、自分の専攻のゼミナールや卒業論文指導も担当できれば、自分の研究も進められると期待しました。東京から地方へ行く、所謂「都落ち」で気持ちが明るくなりません