マニアックなレオ VOL46 「サルバドール ダリ」

上手じゃないと趣味とは言えない
などということはないはずだ。
30歳の頃、スイミングコーチの
後輩をユーノスロードスターに
乗せて滝畑ダムへ向かった。
5月の昼、いつも通り屋根を開けて
緑の木々を眺めながら走ると爽快だ。
芝の上に座り、買ってきたばかりの
イーゼルとスケッチブックを立てる。
広々としていて気持ちがいい。
周りには誰もいない。
水彩画を描くなんて高校生以来。
後輩とは仲が良くて、27歳から
14年間経営したアメリカンバーで
週末にバイトに入ってもらったりも。
彼は自己流ながらパッパと鉛筆の
下描きを済ませて、ダムの淡い緑色、
真っ赤な鉄橋、