霜柱の朝。唐突に灯油ボイラーが壊れた。
年代物だったから、もう機械の寿命だと思った。
1人暮らしの中、お湯が使えないのは、余計に
寂しい。
急いで電話帳からメーカーを探した。
週末でどこからも断られたが、1社だけ夕方に
なるけど見てくれるという。
すぐに依頼した。
日が落ちてやって来たのは白髪で痩躯(そうく)
の職人然とした人だった。
なんと自転車で来たという。
お年を聞くと傘寿(80)というので驚いて思わず
「お若いですぅ~!」
と口走るとニコッと笑われた。
調べてもらうと小さな部品が一つ悪くなって
いるのが分かった。
会社に在庫があ