夕映えにちらつき惑う春の雪



 日のたけてさら~降や春の雪  卓池

 春の雪いつとはなしに積りけり  鈴木真砂女

 春の雪ぐつとばいして寝ることよ  角川源義

 春の雪最後の授業飾りけり  稲畑汀子

 春の雪海鵜一羽はさびしからむ  鈴木真砂女

 春の雪麦畑の主とく起きぬ  村上鬼城

 春の雪薄物纏う如く降る   アロマ

 春の雪降るまもとけてゐたりけり  鈴木真砂女
 
 春暁や音もたてずに牡丹雪  川端茅舎

 春雪のあとの日差しのうつつかな  岸田稚魚

 春雪の富士遠からず近からず  細見綾子

 春雪のなほ繭籠り越後の燈  森澄雄

 春雪の道林間の一行