馳 星周 の 北辰の門

★3.3 恵美押勝(えみのおしかつ)の乱を起こし滅んだ藤原仲麻呂の半生。北辰(ほくしん)とは北極星のこと、天子の星である。

藤原不比等の子として国政を牛耳ることになった藤原四兄弟。だが、疫病で皆が命を落とすと、その座についたのは光明皇后の異父兄・橘諸兄(たちばなのもろえ)であり、藤原四兄弟の子たちはまだ力がなかった。

仲麻呂は光明皇后の信任を得て昇進し、光明皇后のために設けられた紫微中台の令(長官)と、中衛大将(皇室の警護の軍の長官)を兼ねる。このことで、太政官の力を削いで行き、諸兄を隠退に追い込む。紫微中台とは、皇后宮職の名を改め、唐の国政機関であ