死神が座る場所

 無門亭無舌の「落語魅捨理(ミステリ)全集-坊主の企み-」を読了した。出版社の説明では著者はすべてが謎の作家とされているが、山口雅也の別名義であることは明らかである。山口雅也は本格派の推理小説作家で、パラレルワールドのイギリスを舞台とした「キッド・ピストルズ」シリーズ等、実験性の高い作品が多いが、ミステリー評論家としても活躍している。本書は古典落語をモチーフとしたミステリーの連作短編集である。なお、本書の舞台回しは、元骨董商でありながら、博打と蒐集の道楽で身を持ち崩し、無門道絡という名前の僧侶に化けて世を渡っている男である。
 「首屋斬首の怪-落語魅捨理