明るく元気にハキハキと。
いつも通信簿の生活指導欄に記された担任の先生のコメントだった。しかしこのコメントがとても嫌いだった。
虐待やネグレクトなどにあえいでいた子供が、通信簿にそんなことを書かれて愉快になんかなるものか。そもそも苦しい生活から、子供が明るく元気になるはず無いだろう。
人生経験も少なくて、かつ幸せに育てられたにちがいない若い先生が、複雑な状況にいる子供の心情を理解し得るはずもなく、それは仕方ないのだが、先生への信頼感など、雀の涙ほども持ち合わせなかったのは事実。
いま振り返ると、なぜ「明るく元気にハキハキと」が正しく、「暗くておとな
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