さんが書いた連載日常2の日記一覧

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人生反語集(9)

人を励ますとき、つい「頑張って!」ということばを口にする。 心を病んでいるような状況の人に対しても。 じつは、頑張らないことがいい薬になるというときにも。 頑張らないでね、リラックスしてね、と伝えるには、いまの日本語には適切な言葉がない。昔は「お大切に」という言葉があったように思う。しかし考え方の変化だろうか、現代では、別れ際には「じゃあ、頑張って」と言いそうになる。 ウツに陥る人の特徴の…

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人生反語集(8)

孔子の高弟の顔回が心がけていたことは、人に心労をかけないということで、総じて人を苦しめるような虐げることは、不徳で無慈悲なことである、と兼好法師が徒然草に記している。 また幼い子供をだまし、脅し、からかったりして面白がることを、大人は大したことではないと思うけれども、幼い心にとって身に染みて恐ろしく恥ずかしく情けない思いが切実だろう、と記す。 子どもへの脅しや、からかいは、自分自身の経験から…

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カルトナージュ作ってみた

アクセサリーや小物をネット販売している娘たちから、こんなものが商品として販売されているのだよ、と教えてもらった。厚紙を使った小箱、カルトナージュ。 ネットで購入していただいたアクセサリーを、このシャレた小箱にいれて、送付しているという。こんな箱でも代金を払って仕入れているという。ならば作ってみるかと試作してみた。 以前より紙の額縁を製作していて、面突き合わせの角の仕上げにはちょっとユニークな技…

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人生反語集(7)

ひとはどのようなときにウツに陥ってしまうのか、そしてなぜウツという状態があるのかについて、個人的な見解を書いてみたい。もちろんこれが絶対に正しいというつもりはない。きわめて私的な見方だ。 まず前項で記したが、「べき論」というものを固持しているということがある。こうでなければならないという固い信念のようなものが前提にある。 その思いに対し、そうではない否定的な現実が出現したり、人からの拒絶や反…

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人生反語集(6)

ウツに陥るひとの特有な考え方があると思う。 これは精神科医の宮島賢也氏も述べていることだ。 ウツに陥る人は、考え方が硬く、柔軟性に欠けている と感じる。その硬さの筆頭に挙げられるのは、 「べき論」に支配されていることだ。 「自分はこうでなければならない」、「こういうことはあるべきではない」、などたくさんのルールを人生のなかで見出し、あるいは作りだし、それに縛られて身動きが取れなくなっている印…

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人生反語集(5)

夢ということばには2つの意味がある。 実現したい願望をイメージしたもの、つまり目標となって目指すもの、という意味。 もう一つは、睡眠中に見る非現実的な映像の意味。 かなり異なる2つの意味を、なぜ同じ夢ということばに込めたのだろうと不思議に思っていた。 英語においてはどうなのだろうと「dream」を辞典を引くと、やはり日本語と同じ2つの意味を持つとわかった。 もともと睡眠中に見る夢は、叶えたい…

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人生反語集(4)

マウント取りたがる人の行動の特徴として、教え魔になる、ということがある。 人の至らない行動などを見たときに、それを自分より下位のもの、未熟者とみなして、それを直すべきだとばかりに自分の知識や技量を教えようとするのだ。 かつてスキーに夢中になり、ゲレンデで練習を重ねていたころ、しきりに声をかけてくる年配スキーヤーがいた。スキー歴が40年くらいの大ベテランだとのことだが、滑りはこうすると良い、こう…

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差別心に満ちているのに自覚もない

静岡県庁の入所式において、川勝知事が訓示で述べた差別発言とされる言葉について批判され、ごたごたを経て知事は発言を撤回、謝罪した。 詳細なその発言を知ると、かなりひどい言葉を述べており、差別的な表現と言わざるを得ないだろう。知事の謝罪と撤回の会見において、この言葉は生業のちがいを述べただけで、真意は異なると釈明ししていたが、そんなレベルではなかった。 「県庁に入所した皆さんは、毎日野菜を売ってい…

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人生反語集(3)

世の中、マウント取る人がとても多い件について。 こちら側が弱い立場にいると見るや、かならずそこを突いてくる人物が多い。日記のコメントなどでそれが顕著だ。 こちらに向かって何らかの優位を感じるのであろうが、それをわざわざ言う。黙っていることができないのだろう。いつも勝った負けたの優劣競争を意識して生きているのだろうな。自分の優位性の確認を怠らない。 優劣など本来ないはずで、優劣なしのスタンス…

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人生反語集(2)

明るく元気にハキハキと。 いつも通信簿の生活指導欄に記された担任の先生のコメントだった。しかしこのコメントがとても嫌いだった。 虐待やネグレクトなどにあえいでいた子供が、通信簿にそんなことを書かれて愉快になんかなるものか。そもそも苦しい生活から、子供が明るく元気になるはず無いだろう。 人生経験も少なくて、かつ幸せに育てられたにちがいない若い先生が、複雑な状況にいる子供の心情を理解し得るはずも…

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人生反語集(1)

いい人になる努力、人から悪く言われないための努力。知らず知らずにやってしまう行為。 面白い言葉を見つけた。 「みんなから好かれる」を目指すのは二十歳代まで。 (名取芳彦) いい年して、みなから好かれたいと思うことは、ある意味恥ずかしいし、みっともない。そんな媚を売りたいのか、そんな褒められたいのかと。 それに、どんないい人だって陰で悪く言われる。 欠点がないのが欠点だと訳のわからない理由で。…

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ことばにより思考し、ことばの呪縛に捉われる

人間はことばを使って思考している。そのため、ことばを介さない考えというものは存在できない。 ところがことばは、人間を束縛する役目をもしている。ときにそれらが、みずからの不幸を招く。 ことばは人間の脳が生み出したもので、この現実世界には存在していない。しかし人間はことばを使って世界を表現しようとする。そしていつしか世界はことばによって、全部表現できるものだと誤解するようになった。詩のことばは、世…

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心配するとは

未来のことがらを心配するとは、どういうことなのだろうか。まだ未確定な将来のことがらが、自分に不利になったらどうしようと気をもむ。それがはたして不利になるのか、ならないのか決まってもいないのに。 ダライ・ラマ14世の言葉がある。 「もし問題が解決できるなら、心配する必要はない。  もし問題が解決できないのなら、心配しても仕方ない。  けっきょく、どちらにしても心配したところで  なんの得にもなら…

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正義の名のもとで

正義中毒という中野信子さんの文章を読み、そうなのだ、こういうことをはっきり書いていいんだと感じた。 なぜだろうか、その手の発言をしてこなかった自分のこれまでなのだが、その不行動をどこか恥じる気がする。文章を読んだのはかなり以前だが、なかなか受けた感銘を文字にすることができなかった。 正義中毒という表題からして想像ができるが、正義の名のもとで他の不義を非難中傷する行為が、ネット社会になって…

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「迷わない人」は信用できない

引き続き中野信子さんの著書『脳の闇』から。 表題の節があり惹かれた。 新生児が自立して生きていくことができない生物種であることから、成長も極めて遅く、自立して行くためには十何年もかかる。したがって生まれた時点で同種の誰かに頼らざるを得ないし、他者に合わせて生きていくスタイルにならざるを得ない・・・と述べた後に、 「にもかかわらず、他者に合わせて生きざるを得ないことや、自分ではない誰…

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失ったものを数えず、残されたもので生きていく

いつかどこかの本で読んだ言葉だが、いつも心に響く。 ここにペットボトルの飲み物が置いてある。 半分くらい飲んでしまった。 ・・・という思いは、失ったものに重きをおいて、 (残念そうに)言葉にしている。 でも、ものごとは違う見方だってある。 また半分(も)あるね。 どちらの見方がいいのか悪いのか、 それは客観的に言うことはできない。 ただ残されたもので生きていくという…

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ポジティブ思考の落とし穴

ポジティブ思考を推奨する書籍がじつに多いなと感じる。 ちょっと語弊があるかもしれないが、日ごろ思うことがらを書いてみようと思う。 このような考えにはまっていく方は、基本的に知性的で、そして心配性のかたが多いと見受けられる。いろいろなことがらに不安を抱えていると見えてしまう。 そしてこれが肝だが、ネガティブな思いや考えを持つことに恐れを抱く。それらの思いが悪いことがらを引き寄せていく…

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運気というものを論じている書を

運気論者といったらいいのか。 ポジティブな思いがよい運気を引き寄せ、ネガティブな思いが悪い運気を引き寄せるという説を唱えている。 昔買って、棚にしまい込んでいたT氏の書だが、たまたま引っ張り出して読み始めた。5分の1も読まずに、嫌になって放り出した。 しかし、この本、かなりあちこちに附箋が付いているので、昔熱心に読んだのだろうか。なんだか記憶が定かでない。 運気というものが果…

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「怒らない人はモテる」という説

これは本当だ。怒らない人はモテると断言できる。 その理由はじつに簡単だ。 あるアンケートによれば、男性からモテる女性は、やさしい人だという。また女性からみてモテる男性は、包容力のある人だという。 やさしいこと、包容力のあることは、相手を怒鳴ったり怒ったりしないことである。相手を受け止めることができるということだ。 始終なにかと怒っている人、何かと怒りをぶちまけている人に、人は近づ…

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夢は計画できないし、思いも感情も・・・

信州の田舎町に住まいを移してから久しい。娘たちが小学生だったころは、東京O市のマンションに暮らしていた。 8階の眺めの良いフロアだった。 東京暮らしの記憶がどこか刻まれていたのだろうか、ある日、マンションでの出来事の夢を見た。それもブラックな夢を。 ふとベランダの方を見ると、3歳くらいになった女子孫が、ベランダの手すりによじ登ろうとしていた。(マンションで暮らしているころ、むろん孫など…