春の川草木映して和やかに



 肌寒い朝


 乾燥機の窓に春色をどりけり 鎌倉喜久恵

 春色に変はりゆく日々ウォーキング  増田一代

 レリーフをめぐらせ春色ドームかな  細川洋子

 春色の汽車を乗り継ぎいま此処に 小嶋洋子

 春色の靴と衣装に浮き浮きと  アロマ

 春色の筆記用具のカシャカシャと 七郎衛門吉保

 春色のものの音にもありしこと   後藤立夫

 春色を鏤めてゐる樹間かな  鈴木勢津子

 春色の夕映えふわり窓に見て  アロマ

 春行かす鯛の一さく昆布で締め  井原美鳥

 アーモンドかりりと噛んで春行かす  服部早苗

 武蔵野や古井の蓋の春落葉