ねむれ巴里 を読みました

金子光晴、明治大正昭和の人、彼の回想記。

ということで、時代は太平洋戦争の前。だんだん戦争に進もうとしている怪しい時代に、彼とその妻が花の都パリとその近辺で暮らした。多くの人と触れ合い、影響され、感じたままにその様子が書かれている。

当時ヨーロッパにやってくる日本人には、商売やさまざまな勉強で来る人、お金持ちに貧乏人、そしてただ日本を抜け出し当てもなく何かを期待してきてしまった人もいる。国費で来る人がいれば、帰る金のない人もいる。

帰る金のない人はどうなるか。今も昔もヨーロッパは個人主義。お金が無くなり、借りる当ても金を得る手段もない人は淘汰される