◆:☆鰻重(土用の丑の日)_20210728
7月28日は『土用の丑の日』であると日めくりカレンダーが伝えてくれてそのお陰で
今年こそは食してみたいものであると、古稀をたった先週迎えたばかりの初参者の小生
は、欲に絡んでバス通りの大型スーパーへ偵察がてら伺ってみた次第。するとな~
やはり、日に1万人ほども購買力のある売れ筋スーパーならではの食材の量。
デリカコーナーは揚げ・焼き・盛り付け・弁当物などを豊富に揃えて横幅50mもある棚
に、全部売れるのか今日中にと思う程の山になる中に鰻ステージが。だからそういう所
ではどう『盛り付け』されてるかを参考にするだけに留め、私は踵を返すと鮮魚ブロ
ックへまっしぐら。案の定、チルドワゴン内には調理済みの各レベルのパックが新刊書
の如きに平積みされて客を待ってる。浜名湖産の最高級鰻などが1パック3,500円程で
キラキラ輝きながらディスプレイ。
私は尚もそういうモノには手を出せられないのはお見通しと眺めながら只々貼られた
価格表だけに視線を投げながらどんどん最安値のパックを探査してい、そして有った。
鰻だからこそ細長いパックの中にどうなっているかの鰻らの調理の果ての姿を観るが
ソレは多分幾匹かの魚体のイイ焼かれ方した部分をスライスして寄せ集めた『オムニバ
ス・パック』に違いない。全部で20数切れが行儀良く並べられて{550円}の価格表示❣
『肥大型心筋症』の私の心臓が一瞬大脈拍を打った。脳内ドパミンが大曲花火大会の
フィナーレ宜しく頭上で6尺玉の連続大開花した思いになった。おずおずと手に取っては
いたが切り身の形や色味に若干の寄せ集め感が拭えない物は除けて完璧を求め始めて
居る『卑しい我が身』がそこに有った。『何を今更…』とボンビーメンのプライドを
しっかり携えてパックの一枚を押し抱いてカートのバスケットへ移動。斯くして
私の家庭へ運ばれて、更に新米を炊かれた上ディスプレイされてこのフォトに収まるこ
とになったのである。
―――嘗て、母が居た、家内も居た暖かで柔らかな家族と共にあった懐かしい若き日の
『あの頃』美味しいね、なんて安手のホームドラマ宜しく戴いていた『土用丑の日』と
感謝したり、冗談云い合ったりして賑やかに暮れていた何十年前かを古びた壁に映し出
している8㎜フィルムのムービーの如く眺め出して眼に熱いモノを感じながら黙々と
半自作の鰻重を突いていた。
🍱彡
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