似て非なるショットで
この写真は『ボツ』でしまい込んでいた・・・

赤いポストというものは
レトロ感を持つフォトジェニックな対象として
好んで取り上げられる被写体
長い長い黒板塀に赤いポストとくれば
見逃す手はない


閲覧者の皆さんには見覚えがあるはずの
和装・赤い雨衣のご婦人の後
数年前に投稿した
『こころいそぐ』

実は私は向こうから此方へ赤いポストのあしらいを見計らいながら歩いていたら
突然目の前に件の彼女が飛び込んできて

頭の中が真っ白ならぬ真っ赤に染められてしまい

あわてふためいた」

パニック」　
パニック」

思考回路のヒューズが切れてしまった

と
次の瞬間彼女にカメラを向けた・・・
と思うだろう？

さにあらず
無関心を装って足早に彼女の横をすり抜け
後ろへ回りこみ

幸い雨脚があり
雨傘にはねる雨滴の音が味方してくれて
彼女は私が反転した足音に気が付かなかったはず

追跡開始
『その最初のショットがこれ』
ちょうど入り込んだ門前で
黒塀が折れているのが幸いな構図

ファインダーで
ポストと彼女が重ならないことを確かめてシャッター

背面液晶で確認・・・
ん・・・何か違う・・・

ポストが邪魔
そう
ポストが邪魔なんだ

これは・・・『没』
・・・予備には残せるか？

パニックに陥りながらも冷静だったんだ

彼女がポストの向こうに
しかし
黒塀を捉えられる間に

気ずかれぬように
大急ぎで間を詰めて

かろうじて間に合った件のヒトコマ！！！
片足が少し上がって
褄を引いたような微妙な動きが見えて

思い出せますか
あのショット？

こころいそぐ・・・

あれ以来これを夢見て５回は通った角館
夢は夢