犬も歩けば・・・

ディナー

ちょうど20年前になる

夕暮れがぐんと早くなるケルン/ドイツの秋

夕食を物色に路地裏へ・・・

軽いのが取り柄で重宝してた
「ファインダーが付いていないフィルムカメラ」

背面液晶で確認なんて事はできない時代で

外付けの出来あいファインダー

上下のパララックスが出鱈目で 
さすがに画面上が切れてしまった

いや、
いい場面に出会って慌てたから
頭の中でパララックス補正をする余裕がなかった

それでも現場を見た瞬間
この構図以外にないと見切って即刻この立ち位置

道幅一杯に下がって
露出計がないから・・・勘で
ISO 400 カラーネガフィルム
25㎜ F4 絞り F4開放
シャッター速度 1/8秒
手持ちは当たり前

相手は動くはずだから瞬撮・・・のはずが
おいおい
右横から背の低い東洋系のボケっとした青年が現れて
邪魔邪魔・・・とも言えないし

彼が画面右端に入ったけれどトリムアウトして
どうにかこれ一枚

現像が出来上がるまで待つしかなく

そういう時間軸で動いた時代だった

フォトキナ(世界最大の写真関連見本市)で何度も通いなれたケルンだったが
なかなか個人の時間を見いだせなかった

夕食会が目白押しで
たぶん最後になるケルン出張だから
すっぽかして・・・

そのフォトキナもアメリカのPMAも
デジタル化による写真業界の急激な衰退で消滅

今や古き良き時代になってしまった

コメント