雲海や阿蘇は神代に戻りたる 松崎佐 雲海に機影映して飛行せり 永野秀峰 雲海の上に覗く雪の富士 アロマ 雲海の上に立ちをり花たちと 島崎勇作 高原の朝雲海に閉ざさるる 稲畑汀子 天照らす富士は雲海従へて 村上倫子 雲海や二の膳付きのバスツアー 鈴木みのり 横文字の貸家の札に蝉しぐれ 瀧春一 終戦の玉音今も蝉しぐれ 沼口蓬風 …
初霜のデッキ味噌汁匂ひ来し 鴨下秀峰 人動きやまずよ海霧の甲板に 高浜虚子 水さはに甲板掃除五月かな 染谷彩雲(渋柿) 水夫の瞳デッキに碧く雨ふれり 滑川春蕾 星涼し遊歩甲板の籐椅子に 岸風三楼 往来 青年海猫ヘパン投ぐ雪がつどうデッキ 古沢太穂 火雲 船乗のデッキに見つむ陸萌ゆる 下田稔 船足も軽くデッキに桃の籠 川崎展宏 台風去る上甲板の綱…