オリンピック選手の妙技桜咲く 杉本綾 雨含みぼてりと撓む桜かな 篠田純子 田舎道歩けば八重桜落ち アロマ 一竿は赤ん坊のもの初桜 大西八洲雄 まなうらに消えぬ醍醐の桜かな 三浦百合子 旋風醍醐の桜の中抜けて アロマ 幹を這ふ苔のさみどり初桜 藤原冬人 河津桜水面の青き空へ伸ぶ 田所節子 しばらくは閉ざすに惜しき夕桜 武藤嘉子…
満願の高野もみぢに雪が舞ふ 河野友子 雪の音せず寒さが募る午後 アロマ 雪の音回転鮨の海鼠美味 アロマ なまこ噛む力足らざり雪の音 殿村莵絲子 牡 丹 パリ中の教会埋め雪の音 対馬康子 愛国 ふる雪の音のみとなるわさび沢 細見綾子 黄 炎 ペンはしるよりひそかなる雪の音 西島麥南 まつ先に病者が知れり雪の音 能村登四郎 ラテルネに夜をつむ雪の音…
残雪や中仙道の茶屋に谷 飯田蛇笏 山廬集 残雪や著莪の畳に一平ら 清崎敏郎 残雪や峠の上に汽車停まる 村山故郷 残雪や畑に白き馬出づる 山口青邨 残雪や飛騨番匠は庫たつる 前田普羅 飛騨紬 残雪や風に応へて山毛欅林 岸田稚魚 残雪や牧童つどひはじめたり 飴山實 句集外 残雪や藁塚多き野の日和 村山故郷 残雪を冠として旭岳 鷹羽狩行 谷川岳南…