「長門峡」の日記一覧

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鮎の茶屋子持ち鮎反り長門峡

 岩を跳ぶ若鮎一匹つづ光る   宮内とし子  若鮎の腸の苦みも母郷なり   森岡正作  若鮎のひかり浅瀬を遡上せる 永田万年青  若鮎の釣れさうな村近くなり 関口幹雄  串刺しの若鮎の尾のぴんとはね  池田光子  祖谷渓で焼いたアマゴを食べしこと  アロマ  若鮎のきらりと跳ねる暮れの川  平野きぬ子  若鮎の水引つ張つて遡る 山田佳乃  若鮎に水は硬さを解かざる   稲畑廣…

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朱い傘緑雨に冴えて絵の如し

    「アロマ」の句  冷やし酒グラスに水滴びっしりと  ゆったりと露台で飲む冷やし酒  竹の葉擦れに冷や酒煽る夕  空に星冷や酒じっくり味わいぬ  朱い傘緑雨に冴えて絵の如し  昼前の艶やか緑雨ベランダに  哀しくも美しく緑雨夏の彩  しずしずと回廊を行く緑雨の日  明け方の天窓に見る緑雨かな  夏の雨坂駆け降りるシネマ…

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「冬の長門峡」 中原中也 詩

    冬の長門峡(ちょうもんきょう)                 中原中也      長門峡に、水は流れてありにけり。      寒い寒い日なりき。      われは料亭にありぬ。      酒酌くみてありぬ。      われのほか別に、      客とてもなかりけり。      水は、恰あたかも魂あるものの如く、      流れ流れてありにけり…

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結納の膳に稚鮎の美味にして  

 みづうみの風と麦湯でもてなしぬ  清わかば  山水に麦湯の薬缶浮かせけり  天野美登里  瀬の上の風あをあをと麦湯かな  里中章子  広重図麦湯売る娘のにほやかな  荻野嘉代子  自販機の麦茶殊に美味岩国城  アロマ  瀬の上の風あをあをと麦湯かな  里中章子  激流に鰭ふり小鮎上りゆく  内山花葉  鮎ヶ瀬を色なき風のわたりけり  飛鳥由紀  焦げ目なし丸…

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法妙院しゃらしゃらと藤棚引いて

 いたどりの広葉は蝦夷の初夏のもの  高浜年尾  はつなつの見上げるものに時計台  石川文子  初夏の風爽やかに長門峡 アロマ  はつ夏や中洲に水漬く胡桃の木  藺草慶子  はつなつの船足迅き旅愁かな  山田みづえ まるめろ  マチスの朱身に欲り初夏の風の中  上野さち子  初夏の山立ちめぐり四方に風  水原秋桜子  法妙院しゃらしゃらと藤棚引いて アロマ  一むらの薊がつくる…