結納の膳に稚鮎の美味にして  



 みづうみの風と麦湯でもてなしぬ  清わかば

 山水に麦湯の薬缶浮かせけり  天野美登里

 瀬の上の風あをあをと麦湯かな  里中章子

 広重図麦湯売る娘のにほやかな  荻野嘉代子

 自販機の麦茶殊に美味岩国城  アロマ

 瀬の上の風あをあをと麦湯かな  里中章子

 激流に鰭ふり小鮎上りゆく  内山花葉

 鮎ヶ瀬を色なき風のわたりけり  飛鳥由紀

 焦げ目なし丸ごと食べる稚鮎かな  アロマ

 鮎ひかり川せばまれば郷近き  西村摩耶子

 はるばると坂東太郎の鮎届く  小松渓水

 弧の中に鮎釣りを容れ錦帯橋  鷹