「朧 月 」の日記一覧

会員以外にも公開

地下鉄の駅の明るさ煌々と

 牡蠣船に坐し地下鉄の工事音  右城暮石 上下  寒風の外へ地下鉄躍り出る  宮原嶺司  地下鉄地上に出てホッとする アロマ  地下鉄が地上へ雪の降る日かな  ふじむらまり  地下鉄の穴出で三社祭かな  稲石實(季節)  地下鉄の迷路や梅雨の傘提げて  舘岡沙緻  地下鉄は青き火花を夜の秋  長谷川櫂 虚空  地下鉄を出でて銀座の涼新た  鯨井愛子  朧月新設地下鉄にて帰る …

会員以外にも公開

旅にあり霧島の森に鹿遊ぶ 

 窓の下鹿の来てゐる古都の朝  谷口和子  草に臥て石のごとくにいくつゐる鹿みな聡くその耳うごく  上田三四二  草鹿のあづちの長や三かの月  浜田酒堂  草萌えに鹿の激しきながれかな  大木あまり 火のいろに  走り来て止まりて鹿の真顔かな  龍男  息あらき雄鹿が立つは切なけれ  橋本多佳子  足もとに鹿の来てゐしお山焼  岸風三樓  足枕手枕鹿のむつまじや  一茶  其処…

会員以外にも公開

仙石原の温泉雪降りお正月 

 雪来るを待つとしもなく柿干して(金沢郊外、湯涌温泉にて) 細見綾子  絶々に温泉の古道や苔の花 蓼太「蓼太句集初編」  川上は温泉の涌くなる清水かな 召波「春泥発句集」  浅葱を洗ふ温泉川のけむりあげ 大竹孤悠  潜水夫旧正の温泉に占戯せる 宮武寒々 朱卓  船乗りと山の温泉に来て雨をきいてる  尾崎放哉  早春の楢山いでて温泉の径  飯田龍太  早苗饗や泥洗ひとて温泉にあそぶ…

会員以外にも公開

散り敷いて雪に紛うか花吹雪

   「アロマ」の句  黒い花卉連翹生けて黄の盛ん  散り敷いて雪に紛うか花吹雪  朝の道連休始まり空いており  街道のカーブに枝垂れ桜あり  春菊刻み鰹たたきの端に  デパートの屋上に見る春景色  ピクニック春の草地に花咲いて  朧月長閑に温き宵の風  掛け時計昔の形にて春の宵  春雨に鶯の声濡れそぼち    「阿部みどり女」の句  鉢藤や蜂のうなりは玻璃の外 …

会員以外にも公開

揚羽蝶数匹近くを飛び交って

    「アロマ」の句  朧月宵に仄かな光帯び  花冷えの境内に来て写真撮る  車窓に枝垂れ紅梅鮮やかに  梅園に和んで家族逍遥す  春雨に鶯鳴いて厨窓  揚羽蝶数匹近くを飛び交って  藤色のセーターを着て春麗  生垣に赤い新芽の輝いて  春の雪どさっと積り大わらわ  海透けて潮蒼々春の旅  無人駅ホームに菜の花一両車  春の雪朝刊冷たく袋入り      「篠田悌二郎…