終日や鳴子鳴りては雀飛ぶ 柳川春葉 終日を鳴く木となりぬ法師蝉 鷹羽狩行 終日逃げるここらあたりがカチカチ山 阿部完市 春の海終日のたりのたりかな 蕪 村 春の川終日濁し囚徒去る 飯田龍太 春雨や終日朱熹の額の下 山口青邨 春尽くる海や終日杭打たれ 岸本マチ子 障子終日ひらくことなき牡丹かな 橋閒石 醒めぬ眼を終日持てり梨の花 鍵和田[ゆう]…
新雪を被てはるかなる加賀の山 石塚友二 光塵 新雪を見つめたる眼を伏せにける 細見綾子 新雪来り約して今日小生来り 荻原井泉水 新雪眉のごとし杖老の手にしてのぼる 荻原井泉水 暮れるまで処女雪 日時計のほとり 伊丹三樹彦 東京の初雪人が出て歩く 山田みづえ 手甲 東京は初雪が降り初天神 山口青邨 柿吊つて新雪の神嶺に来ぬ 森澄雄 根雪ふみ新雪にぬ…