ゆるくして急早鞆の五月潮 　　能村登四郎 　花嫁の涙の光る聖五月 　　田原央子 　ひとり煮て伽羅蕗辛き五月かな 　　石田波郷 　やや冷えて薔薇の五月のはじまりぬ 　岡本眸 　スピードは八十哩野は五月　 星野立子 　ハワイよりよき便り来て五月来て　 鈴木真砂女 　一輪草二輪草五月の森をゆく 　山口青邨 　並木みな葉うらを見せて風五月　　 鷹羽狩行 　五月来ぬキャベツたつぷり切…

　 　【近頃の白菜の漬物は水洗いの必要がなく　そのまま刻んで頂く 　昨夜のおかずは鮪のブツに　ポテトサラダ　タラコ 　即席みそ汁】　 　 　大原や葭簀を立てて漬物屋 　今越みち子 　朝凪や漬物石を日に晒し 　南奉栄蓮 　南座に並び時雨るる漬物屋 　都筑智子 　晩秋や漬物京の土産なる 　松本文子 　ひとり煮て伽羅蕗辛き五月かな　 石田波郷 　…

　蕗を煮る夕餉の支度ととのいて 　篠田三七子 　蝦夷蕗の大きさに旅なつかしく　 稲畑汀子 　蕗味噌や胃の腑静かに引き締まる 　篠田純子 　鼈甲の伽羅蕗が好きお茶漬けに　　アロマ 　蕗摘んで湯治七日の暮しかな 　田中峰雪 　蕗を煮る葉は佃煮に香り立つ　 安部里子 　蕗の葉をかぶり日照雨の山下りる　 鎌須賀礼子 　生節と蕗煮て午後のジャズダンス　 中道愛子 　足寄…

　哺乳瓶かかえる赤ちゃん春の宵　 甲田夏湖 　山蕗のうす紅の茎摘んでをり 　近藤きくえ 　蕗煮るやみちのく育ちの知恵を借り　 市川玲子 　生節と蕗煮て午後のジャズダンス　 中道愛子 　明日への希望や春の蕗を煮る　 亀ヶ谷照子 　蕗採りの妻の早立ち山晴るる 　大畑善昭 　蕗を切る太き細きをなひ交ぜに　 丑久保勲 　薄碧く煮上げて柔し蕗の色　アロマ 　蕗の葉を叩きて…

　スーパーの艶やか伽羅蕗パック入り　アロマ 　伽羅蕗の煮染まる鍋や夕日影　 滝川愚仏 　お茶漬けに伽羅蕗美味し初夏の午後　アロマ 　伽羅蕗の辛きを山の恩として　 伊藤通明 　伽羅蕗の売つてゐるなり山の寺 　佐川広治 　伽羅蕗の滅法からき御寺かな　 川端茅舎 　伽羅蕗もグリーンアスパラガスも好き　 新谷氷照 　伽羅蕗や上がり框の坐り艶 　水沼三郎 　伽羅蕗や人揉みし手の皺深め 　…

　樹海空機影五月の雲をいづ　 飯田蛇笏 椿花集 　 歌劇見てヒーロー気分聖五月 　泉田秋硯 　 歳時記の牡丹も五月長谷寺も 　河野静雲 　ひとり煮て伽羅蕗辛き五月かな 　石田波郷 　聖五月風爽やかに裳裾揺れ　　アロマ 　来しも五月の海の松島瑞巌寺　 中塚一碧樓 　五月の庭に躑躅色取り取りに　　アロマ 　母の日の五月つごもり紅粉の花 　山口青邨 　ゆらゆらと水辺の青葉照り映える　ア…