幼き日蕗の筋を剥くことも  



 蕗を煮る夕餉の支度ととのいて  篠田三七子

 蝦夷蕗の大きさに旅なつかしく  稲畑汀子

 蕗味噌や胃の腑静かに引き締まる  篠田純子

 鼈甲の伽羅蕗が好きお茶漬けに  アロマ

 蕗摘んで湯治七日の暮しかな  田中峰雪

 蕗を煮る葉は佃煮に香り立つ  安部里子

 蕗の葉をかぶり日照雨の山下りる  鎌須賀礼子

 生節と蕗煮て午後のジャズダンス  中道愛子

 足寄蕗沿道に背丈ほどもあり  アロマ

 五月の風蕗の若葉の崖を吹く  瀧春一

 亜麻色の産毛まとひし春の蕗  赤座典子

 雨の蕗ことさら青く茹であがり  伊