「神無月」の日記一覧

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八百屋に冬瓜一つでんとあり

 あんかけの冬瓜のせてありにけり  田中冬二 俳句拾遺  うつし世の冬瓜を煮て透きとほる  辻美奈子  冬瓜茶碗蒸しの具に美味し アロマ  とうがんの透いてくるまで煮てをりぬ  仙田洋子 橋のあなたに  どこ叩きても冬瓜の貌なりし  上田操  冬瓜の椀にとろける神無月  横山房子  冬瓜の清しき白をサクと切る  祝 恵子  冬瓜をいりこで煮付けうす味に アロマ  冬瓜の翡翠に透け…

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雪の日に鳥居潜って社殿まで

 神鏡に成人式の雪降れり  江口竹亭  雪の日に鳥居潜って社殿まで アロマ  神々の沓音に雪降りはじむ  奥坂まや  神無月テレビ画面に雪降れり  右城暮石 句集外 昭和五十四年  身の闇に降る雪嘗めて檻の熊  金箱戈止夫  人の世の過去へ過去へと雪降れり  三村純也  雪の夜や白くあえかに降り積んで アロマ  人の世の淋しからむと雪降らす  片山由美子 水精  新しき年新しき雪…

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無人駅ひらりと二片桜舞う

       「アロマ」の句  川の上入道雲はむくむくと  塩鮭一尾貰いて詮方なく  禅寺の縁に腰掛けお薄飲む  三段峡せせらぎ碧く紅葉して  無人駅ひらりと二片桜舞う  蕎麦処鹿駆ける山肌を見て  振袖長く初春華やいで  神無月朱の振袖に黒い帯  リラ冷えの街に紫コート着て  旅先のホームに遠く竹の秋    「山口誓子」の句  やさしさは殻透くばかり蝸牛  …