「伊坂幸太郎」の日記一覧

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心配性な作家

伊坂幸太郎の「仙台ぐらし」を読了した。著者は、ミステリー作家で、「ゴールデンスランバー」により、2008年第5回本屋大賞と第21回山本周五郎賞を受賞している。本書は、著者の2冊目のエッセイ集である。  著者は第一エッセイ集の「3652−a decade」でも本書でも書いているが、エッセイを書くのが苦手だそうである。本書はその著者が、仙台にある小さな出版社の荒蝦夷社に依頼され、同社が年二回刊行する…

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15年間の徒然

伊坂幸太郎の「3652−伊坂幸太郎エッセイ集−」を読了した。著者は、ミステリー作家で、「ゴールデンスランバー」により、2008年第5回本屋大賞と第21回山本周五郎賞を受賞している。なお、同作が直木賞候補にノミネートされたが、選考を辞退している。本書は、著者のデビュー後10年間に発表したエッセイを全て収録し、2010年12月に刊行された「3652−a decade 伊坂幸太郎エッセイ集−」の文庫版…

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四人の愉快な父親達

伊坂幸太郎の「オー!ファーザー−a family−」を読了した。著者はミステリー作家で、本屋大賞や山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることは辞退しているそうである。本書では、4人の父親を持つ高校生由紀夫が巻き込まれた奇妙な事件がが描かれている。  主人公の由紀夫は一家6人で暮らしている。母親は知代1人であるが、父親が何と4人もいる不思議な一家である。彼の家族構成がこの様にな…

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陽気で真面目なギャング達

伊坂幸太郎の「陽気なギャングは三つ数えろ」を読了した。著者は、ミステリー作家で、「ゴールデンスランバー」により、2008年第5回本屋大賞と第21回山本周五郎賞を受賞している。なお、同作が直木賞候補にノミネートされたが、選考を辞退している。本書は、「陽気なギャング」シリーズ9年振りの第三作で、前作同様、特異な能力を持つ4人の陽気な?ギャング達の活躍を描いたものである。  本書の主人公は以下の四人で…

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伊坂幸太郎のグッド・バイ

伊坂幸太郎の「バイバイ、ブラックバード」を読了した。著者はミステリー作家で、本屋大賞や山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることは辞退しているそうである。本書では、同時に付き合っていた5人の女性に、清算を告げに行く男の話が描かれている。  本書の主人公の星野一彦は、何か事情があり、とある組織により「あのバス」で何処かに連れて行かれることになっているらしいが、その事情が莫大な借…

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回転する独楽

伊坂幸太郎の「ジャイロスコープ」を読了した。著者は、ミステリー作家で、本屋大賞や山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることは辞退している様である。本書は、著者の単著未収録の6篇の短編に書き下ろしの短編1篇を加えて刊行された短編集である。  「浜田青年ホントスカ」:旅をしていた浜田青年は、スーパーホイホイの駐車場で「相談屋」を営む稲垣に声を掛けられ、彼の仕事を手伝うことになる。…

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勇気はあるか?

伊坂幸太郎の「モダンタイムス」を読了した。著者はミステリー作家で、本屋大賞や山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることは辞退しているそうである。本書は、個人の生活がネットを通して全て監視される世界の恐怖を描いた近未来小説である。  29歳のシステムエンジニア(SE)である渡辺拓海は、ある日、髭面の謎の男に襲われる。その男は拓海に、拷問を受ける勇気はあるかと尋ねる。それを聞いた…

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御釜で跳ねた魚

阿部和重と伊坂幸太郎共著の「キャプテンサンダーボルト」を読了した。阿部和重は芥川賞作家で、テロリズムやインターネット等、現代的なトピックスを扱った作品が多いとされている。伊坂幸太郎はミステリー作家で、本屋大賞や山本周五郎賞を受賞している。本書は、蔵王連峰の御釜(五色沼)の中に生息するという謎の病原体を巡る国際的陰謀に巻き込まれた幼馴染で少年野球のチームメイトの中年二人組みの活躍を描いたエンターテ…

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斉天大聖の繋ぐもの

伊坂幸太郎の「SOSの猿」を読了した。著者はミステリー作家で、本屋大賞や山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることは辞退しているそうである。本書では、ひきこもり青年の悪魔祓いの話と株誤発注事故の原因調査の話が、孫悟空を介して語られる。  本書では、遠藤二郎が主人公で悪魔祓いを描いた「私の話」と、五十嵐真が主人公で株誤発注事件調査を描いた「猿の話」が交互に語られる。  家電量販…

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火星に生物はいるのか?

伊坂幸太郎の「火星に住むつもりかい?」を読了した。著者は、ミステリー作家で、本屋大賞や山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることは辞退している様である。本書は、平和警察と呼ばれる治安警察が支配する日本を描いた近未来SF風ディストピア小説である。なお、本書は五部構成である。  本書の舞台は、著者お馴染みの宮城県であるが、状況が現在とは少し異なる。本書で描かれている日本では「平和…

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伊坂風恋愛小説

伊坂幸太郎の「アイネクライネナハトムジーク」を読了した。著者は、ミステリー作家で、本屋大賞や山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることは辞退している様である。本短編集は、著者が初めて書いた恋愛小説とのことである。  「アイネクライネ」:日本初のボクシングヘビー級チャンピオンが生まれた日に、27歳でサーバー管理者の佐藤は、先輩社員の藤間が妻に逃げられたショックで起こしたミスをカ…

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精一杯生きることとは

伊坂幸太郎の「終末のフール」を読了した。著者は、ミステリー作家で、本屋大賞や山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることは辞退している様である。本書では、小惑星衝突による滅亡を三年後に控えた地球において、仙台市北部の団地「ヒルズタウン」に住む人々の生活が、8篇の短編に描かれている。状況は、8年後に小惑星が落ちてきて、地球は滅亡すると発表されてから5年後で、一度は崩壊した秩序が徐…