運の悪い殺し屋
伊坂幸太郎の「777-トリプルセブン-」を読了した。著者はミステリー作家で、本屋大賞と山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることを辞退していることで知られている。本書は「殺し屋」シリーズの第四作であり、ツキに完全に見放されている殺し屋の巻き込まれた騒動を描いた、少しドタバタ風の、グランドホテル形式のミステリーである。 物語は事件の二日前に、本書の舞台のウィンストンパレス…
伊坂幸太郎の「777-トリプルセブン-」を読了した。著者はミステリー作家で、本屋大賞と山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることを辞退していることで知られている。本書は「殺し屋」シリーズの第四作であり、ツキに完全に見放されている殺し屋の巻き込まれた騒動を描いた、少しドタバタ風の、グランドホテル形式のミステリーである。 物語は事件の二日前に、本書の舞台のウィンストンパレス…
伊坂幸太郎の「マイクロスパイ・アンサンブル」を読了した。著者はミステリー作家で、本屋大賞と山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることを辞退していることで知られている。本書は、猪苗代湖の音楽フェスティバルで毎年配布した短編を単行本化したものであり、現実世界の会社員とパラレルワールドのマイクロスパイを主人公とした一種のファンタジーである。 一年目:猪苗代湖の畔で任務を終えた…
伊坂幸太郎の「ペッパーズ・ゴースト-Do Junior High School Teachers See the Future of the Others?-」を読了した。著者はミステリー作家で、本屋大賞と山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることを辞退していることで知られている。本書は、他人の未来が少しだけ見える中学校の教師が巻き込まれた、爆弾テロ事件を描いたエンターテイ…
1.オーデュボンの祈り (2000.12) https://smcb.jp/diaries/4450071 2.ラッシュライフ (2002.07) https://smcb.jp/diaries/4914590 3.陽気なギャングが地球を回す (2003.01) 4.重力ピエロ (2003.04) 5.アヒルと鴨のコインロッカー (2003.11) 6.チルドレン (200…
伊坂幸太郎の「逆ソクラテス」を読了した。著者はミステリー作家で、本屋大賞と山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることを辞退していることで知られている。本書は、少年達を主人公とした、少し心温まる物語を集めた短編集である。 「逆ソクラテス」:小学六年生の僕(加賀)は、担任の久留米を苦々しく思っている。久留米は教え子達の能力を、自分の主観の基づいて判断して差別するため、劣等生と…
伊坂幸太郎の「クジラアタマの王様」を読了した。著者はミステリー作家で、本屋大賞と山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることを辞退していることで知られている。本書は、菓子メーカーの広報部員の岸。人気ダンスグループのメンバー小沢ヒジリ、そして都議会議員(後に国会議員)の池野内征爾の、夢の中と現実の世界を描いた、小説とコミックをコラボレートした一種のファンタジーである。 主人公…
伊坂幸太郎の「シーソーモンスター」を読了した。著者はミステリー作家で、本屋大賞と山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることを辞退していることで知られている。本書は、文芸誌の「小説BOC」で行われた、八名の作家による「人間の対立」をテーマにした競作で、古代から未来までの日本を描いた「螺旋プロジェクト」の中の二作を収録した中編集であり、著者は「昭和後期」篇と「近未来」篇を担当し…
伊坂幸太郎の「フーガはユーガ -TWINS TELEPORT TALE-」を読了した。著者はミステリー作家で、本屋大賞と山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることを辞退していることで知られている。本書は、不幸な生い立ちの双子の兄弟に訪れた奇跡を描いた物語である。 本書の主人公は、双子の兄弟の常盤風我(フーガ)と常盤優我(ユーガ)で、物語の語り手は優我である。本書はTV番組…
伊坂幸太郎の「ホワイトラビット-a night-」を読了した。著者は、ミステリー作家で、「ゴールデンスランバー」により、2008年第5回本屋大賞と第21回山本周五郎賞を受賞している。なお、同作が直木賞候補にノミネートされたが、選考を辞退している。本書は、お馴染の泥棒「黒澤」が仙台で巡り遭った、後に「白兎事件」と呼ばれることになる人質立てこもり事件を描いた作品である。 事件の一か月ほど前、兎田…
伊坂幸太郎の「AX」を読了した。著者はミステリー作家で、本屋大賞と山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることを辞退していることで知られている。本書は、「殺し屋」シリーズ最新刊の連作短編集である。 本書の主人公の「兜」は、表の顔は文房具メーカーに勤める極普通のサラリーマンであり、家庭を持っているが、異常な程の恐妻家であるため、息子の克己に同情されている。しかし、裏の顔は格闘…
伊坂幸太郎/文、マヌエーレ・フィオール/絵の「クリスマスを探偵と」を読了した。著者の伊坂幸太郎は「ゴールデンスランバー」で山本周五郎賞、本屋大賞を受賞したミステリー系の作家で、絵を担当したマヌエーレ・フィオールはイタリア人でフランス在住のバンドデシネ作家である。本書は、著者が作家としてデビューする前の大学一年生の時に書いた短篇の処女作を、自身の手でリメークしたものである。 物語の舞台はドイツ…
伊坂幸太郎の「サブマリン」を読了した。著者はミステリー作家で、本屋大賞と山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることを辞退していることで知られている。本書は、家庭裁判所調査官である陣内と、彼が担当する少年事件の顛末を描いた作品である。本書の語り手は、陣内の調査官の後輩の武藤で、武藤は人事移動により陣内の部下になっている。 陣内と武藤が担当する少年の棚岡佑真は、無免許運転をし…
伊坂幸太郎の「チルドレン」を再読した。著者はミステリー作家で、本屋大賞と山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることを辞退していることで知られている。本書は、家庭裁判所調査官である陣内およびその知人達の現在と過去を、周囲の人々の視点から描いた5編の連作短編集である。 「バンク」:語り手は大学生である陣内の友人の鴨井。銀行の窓口で現金を引き出そうとした陣内は鴨井を連れて、営業終…