山あぢさゐ手鏡に風あふれしめ 田中とし子 やぶでまりなどと河鹿の水あかり 木津柳芽 白鷺抄 どうどうと山雨が嬲る山紫陽花 長谷川かな女 牡 丹 雨粛と山紫陽花の魂あをむ 草薙勇一 山に山あぢさゐ雨の降り足せる 高澤良一 素抱 紫陽花も山紫陽花も法の山 清崎敏郎 又たれか鐘撞いてゐる山紫陽花 飯島晴子 白き花はやぶでまり柴山雨にぬれ 山口青邨 …
アルプスはいづこ湖畔の若葉冷 稲畑汀子 若葉寒し魚さえすまぬ谷の水 東皐 若葉冷え人さみどりに歩みよる 角川源義 若葉冷高きにのみや山の蝶 中村汀女 丈たかき男水呑む若葉寒 橋閒石 微光以後 山冷えと湯女がいふなる若葉冷え 上村占魚 球磨 若葉冷え長袖出して着ているよ アロマ 雲取山夕雲を呼ぶ若葉冷 山口青邨 京襲ふ雨のさすがに若葉冷 村田脩 …