「寒 卵」の日記一覧

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寒卵ラップをかけてレンジにて

 大寒の星に雪吊り光りけり  久保田万太郎  大寒の枯るる音する膝頭 近藤一鴻  大寒の朝日あまねき雁の里  小島千架子  大寒や鍋・釜伏せて静かな夜  菖蒲あや 路 地  大寒の夜に一人鬱々と  アロマ  大寒をかなしむ田舎料亭に  相馬遷子 雪嶺  大寒に芹の雑炊熱々を  アロマ  大寒の水をうましとひとり言  細見綾子 虹立つ  大寒…

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寒卵白粥に混ぜ美味なりし

 泡乗せて白魚の潮差し来たる  安倍いさむ  紙鍋に白魚煮えて湖畔亭  千原叡子  椀に泳ぐ白魚すぐに呑めといふ  小林愛子  白魚売る折へぎの小舟に笹敷いて  北川英子   白魚とフレッシュトマトのパスタ和え   アロマ  葱塗しポン酢で頂くしらうおよ  アロマ  寒卵黄味盛り上げて朝餉かな  小林幸子  東雲や厨にことり寒卵  芝宮須磨子  皿蕎麦にからみつき…

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切手帳の雨傘美人幾星霜 

 浮世絵の肌透きとおる寒卵   愛甲敬子  文月や童画切手の便り来て  吉田麗子  切手帳の雨傘美人幾星霜  アロマ  いつか見し絵巻物にも柿紅葉  高田風人子  高きへ流るる南画の川や夏料理  中村草田男  傘にくるみどりの飛沫童画展  能村登四郎  春昼や壁の洋画にとりまかれ  上野泰  初夢といふ一巻の絵巻物  鷹羽狩行  浮世絵の景河尻の白魚漁  右城暮石 天水  浮世…

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初詣鬼子母神近く都電行く

 あかつきの群線に貨車こごえけむ  鈴木孤声  アネモネを貨車がゆるがす友の下宿  酒井弘司  ありそめしこぼれ新米貨車ホーム  亀井糸游  いつからか都電なき町鬼灯市  山越渚  いづくより雪かぶり来し貨車すれちがふ  篠原梵  うりずんや快速船の大飛沫  伊良皆恵利子  おかしな所から機関車水出して弁当箱洗わせてくれる  市川一男  オリエント急行よぎる枯野かな  竹葉英一 …

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水墨画見るかの今日の雪景色

 寒卵刻一刻の雪明り  飯田龍太  雁なくや小窓にやみの雪明り  正岡子規 雪明  幾谿の雪明りのみ見つつ来ぬ  加藤秋邨  帰りつく身をよす軒や雪明り  飯田蛇笏 山廬集  鬼の身に虚ありなむ雪明り  沼尻巳津子  去年の雪明るく消えぬ梅の花  横光利一  喰積や雪明暗の陶の匙  角川源義  空襲の夜明けて窓の雪あかり  京極杞陽 くくたち下巻  恵那山ありと思ふ障子の雪明り …

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貨車通る遥かな街へひたすらに

 花の日の午後無蓋貨車来て溜まる  穴井太 ゆうひ領  花冷の貨車の中より牛の声  木村里風子  貨車あまたちらばり凍てて歳去りぬ  片山桃史 北方兵團  貨車いくたび過ぎし枯野の雨やまず  柴田白葉女 遠い橋  貨車が 影絵のようにとまつていて ぬくい冬の夜霧  吉岡禅寺洞  貨車がこぼした麦を夕陽があたためる  穴井太 穴井太集    貨車すぎて鉄匂ひたる炎暑かな  松本 繁  …