「アロマ」の短歌 2015年10月 奈良は初夏薬師寺東塔碧なし寺の縁にてお薄頂く 室生寺に石楠花咲いて坂下る母との旅は五月連休 高野山奥の院には日差し満ち静かなる時楽しみ歩む 那智の滝列車の窓より見(まみ)えれば 細き流れは崖より落つる 熊野古道バ…
室生寺は薄紫の石楠花よ 二十二歳で母と旅した室生寺は 石楠花が満開でした 大振りで薄紫の花弁は和紙のようで 匂いの記憶はありません
マロニエは花盛りなりパリ泊 伊藤一枝 マロニエの花どきリヨンの丘に立つ 伊藤一枝 マロニエの花散らす風揺らす風 稲畑汀子 マロニエの赤が街路樹なる街に 稲畑汀子 マロニエの花に一番近き窓 稲畑汀子 君知るや銀座マロニエ咲きしこと 嶋田一歩 カフェオーレ飲みつつマロニエ眺め アロマ マロニエの咲いて名画の二本立て 根橋宏次 マロニエ…
氷壁に石楠花凍る葉を垂らす 岡田日郎 河鹿の夜 石楠花ひらく ひらりひらり 伊丹公子 山珊瑚 深山石楠花この世かの世の遠い空 岸秋溪子 深山石楠花やはるかにまさしく蔵王なり 荻原井泉水 溺れよと石楠花を縫う径細き 谷内茂「鳥語」 石南花にやさしかりけり朝の風 駒走松恵 石南花の奥の院までつゞきをり 上田立一呂 石南花の崖羚羊も子連れなる 深谷 律子 …