「熊谷達也」の日記一覧

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エスケープ・トレイン

表題のエスケープ・トレインとは・・ 自転車のロードレースにおける 「逃げの集団・車列」の意味です。 サイクルロードレーサーの小林が所属する エルソレイユ仙台に、世界のトップレベル で戦ってきたレジェンド、梶山が加入した。 引退も囁かれていた梶山がなぜ? 梶山の加入でチームは、小林は…。 私は、ロードバイクなど乗らないし、 ロードレースのことさっぱり分かりません。 しかし・・この小説な…

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熊谷達也 の 無刑人 芦東山

★3.4 仙台藩の儒学者・芦東山(1696~1776)の生涯。磐井郡渋民村(岩手県一関市)の大肝入の子として生まれた東山は100年に1人という秀才で朱子学を極めた。その評判から5代藩主・伊達吉村に引き立てられ、京や江戸に学んで儒官として取り立てられる。 藩主に数々の上申を行ったが、学問所の身分による席次問題などで譴責され24年間もの幽閉生活(追放刑)を送る。東山に傾倒する若者が増え、それを危惧…

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熊谷達也 の 我は景祐

幕末の仙台藩と奥羽越列藩同盟を、戊辰後に責任を取らされた家老の但木土佐と大番士の若生文十郎景祐を通して描く。物語は元治元年(1864年)京で探索を努める23歳の文十郎から始まる。 戊辰の役で仙台藩に会津討伐の命が下ったことにより混迷が始まる。田舎で妻の病気療養に努める文十郎に登城の命が届き、会津恭順を説得する重要な任務に。そして奥羽鎮撫使下参謀の世良修蔵らによる横暴が。 文十郎は会津を救済す…

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『山背郷』不覚の涙

冷たい雨が白い雪に変り、積もる程ではないが、途中半端な天気に、出かける気力をそがれた。 そこで、今日は読書日と決め、 『山背郷』(熊谷達也 9編の短編集)を、つい読み切ってしまいました。 以前、同じ作者のマタギの生涯を描いた長編『邂逅の森』を読んで圧倒されましたが、この9編も東北の人間の厳しい自然相手の真摯な生き様が描かれています。 朴訥な方言(東北弁)を、これほど効果的にしかも解りやすく使…