「立松和平」の日記一覧

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浦和散歩 ー古本市での道元との邂逅ー 

毎月1回、浦和駅近くの通りで古本市が開かれる。10軒ほどの店主がテントを張って本を並べている。平積みの本は雑誌ぐらいか。ほとんどが背表紙をこちらに向けて縦積みしている。歴史書、書の拓本帖、全集、研究書とともにハードカバーの小説が2,3段の本棚に陳列されている。それこそ何か面白いものがあるかな、という宝探しの気分だ。 ふと目が留まった。モスグリーンの背表紙にアイボリーの帯。書名と著者名が楷書体で味…

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「歴史と人生」「新・おくのほそ道」を読む(2)

「新・おくのほそ道」 俵万智・立松和平著 河出書房新社 2001年10月30日発行 ー生きるとは旅をすること流れゆく時間が永久(とわ)の旅人ならば    俵万智  軒に咲き、「世の人の見付けぬ花」である栗の花は、人を楽しませてやろうというようないわばおしつける気持ちはまったくなくて、目立たぬ具合にひっそりと咲き、  この世には栗の花のような存在がいくらでもあり、見なければ見ないですんでしまうのだ…