「歴史と人生」「新・おくのほそ道」を読む(2)

「新・おくのほそ道」 俵万智・立松和平著
河出書房新社 2001年10月30日発行
ー生きるとは旅をすること流れゆく時間が永久(とわ)の旅人ならば    俵万智
 軒に咲き、「世の人の見付けぬ花」である栗の花は、人を楽しませてやろうというようないわばおしつける気持ちはまったくなくて、目立たぬ具合にひっそりと咲き、
 この世には栗の花のような存在がいくらでもあり、見なければ見ないですんでしまうのだが、清らかに生きて死んで限りない恵みを与えてくれる。ありがたいものだ。(立松和平)
 世の中の見付けぬ花や軒の栗   芭蕉
 見られないこと前提の美しさ栗の花咲く