吊橋の天上天下秋の風 岩岡中正 宇陀千軒訪うてかそけき秋の風 本城布沙女 日本にも水の缶詰秋の風 金井充 杖欲しと思ふこの頃秋の風 佐藤淑子 サーカスが来て街中を秋の風 上林孝子 シャンプーの香がひろがつてゆく秋の風 外川玲子 合掌の阿修羅の見やる秋の風 大野崇文 秋の風ボディシャンはフローラル アロマ 大仏の光輪く…
デッサンの椅子一つある薄暑かな 外川怜子 包丁のリズムトントン薄暑かな 渡辺安酔 明け方の蒸し暑さ既に薄暑なり アロマ 駅中で済ます買物夕薄暑 佐山文子 杖つきても歩くはたのし夕薄暑 宮野照子 フランスパンのぞく袋や街薄暑 青木ちづる トランペットの音の煌き薄暑光 市村健夫 薄暑光フリマの客の値切りたる 須賀敏子 北京ダック飴色に…
暖かな日差しの中の酉の市 和南城ふみえ 声にして家路といふは暖かし 土屋草子 温かく庇の影の伸びいたり アロマ 暖かし置き薬屋の荷を広げ 國保八江 船音の遠ざかりゆく暖かさ 稲畑廣太郎 旧きイタリア民謡温かし アロマ 記憶より小さき句碑よ暖かし 稲畑汀子 駅一歩より暖かき故郷かな 稲畑廣太郎 暖かく甲斐の山並被さり来 稲畑廣太郎…