石ころの浮き足立ちて別れ霜　　檜紀代 　桶底の仕舞ひ酸莖や別れ霜　　中原道夫 　早暁の東京発ちぬ別れ霜 稲畑汀子 　別れ霜駅へと急ぐ女学生 大内幸子 　別れ霜体内時計の螺子を巻く 寺田すず江 　箒目の流れのままに別れ霜　 能村研三 　「別れ霜」という小説杉本苑子　　アロマ 　九体寺の味噌は甘かり別れ霜 　長谷川かな女 花寂び 　春潮のひか…

　牛乳おきてことと去りゆく別れ霜　 角川源義 　京も終霜やけ薬貝に盛る　 石橋秀野 　古漬や大和国中別れ霜 　石橋秀野 　山あひのどこかけぶりて別れ霜 　鷹羽狩行 　美しき老いとはあるや忘れ霜 　能村登四郎 　母屋から声つつぬけや別れ霜 　橋閒石 　裏富士のすそ野ぐもりに別れ霜 　飯田蛇笏 春蘭 　別れ霜 レースのごとく葉を縁取って　アロマ 　杉本苑子「 別れ霜」という作品　…

特選 今宵また出掛けるつ構へ恋の猫 入選 袂より白きかいなや針供養 寒月や外湯巡りの下駄の音 自らを頼りに生くる別れ霜

　九体寺の味噌は甘かり別れ霜 　長谷川かな女 花寂び 　二三本葱の坊主や別れ霜　 虚子 　別れ霜なり通勤の汽車に映え 　百合山羽公 故園 　別れ霜未だ目覚めぬ過疎の村 　田中正信 　古書街のまばらなる灯や忘れ霜 　風間 圭 　古漬や大和国中別れ霜 　石橋秀野 　埋めもどす古墳の上の忘れ霜 　酒井美幸 　山鵯の水菜喰らへり別れ霜 　角川源義 　庭畑の水菜たのもし別れ霜 　下村ひろし…