「佐藤賢一」の日記一覧

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佐藤賢一「テンプル騎士団」

 中世の騎士団と言えば高貴でストイックなイメージがあり、興味を惹かれる。テンプル騎士団は元祖騎士団、十字軍の結成という時代の潮流に乗って成長し、十字軍の終焉と共に消えた流星のような存在であった。テンプル騎士団は初めに修道誓願を立てた。騎士だが、修道士のように清廉潔白に生きるという誓いである。高潔ではあるがあくまで信条の問題であり、大きな目的を持って設立された団体ではない。しかし、そんな経緯とはお…

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南洲翁遺訓

 佐藤賢一の「遺訓」を読了した。著者は歴史小説・時代小説作家で、ヨーロッパ史を題材とした歴史小説を多く手掛けている。本書は、新選組一番隊組長沖田総司の甥で天然理心流の遣い手である沖田芳次郎の目を通して、西郷隆盛と大久保利通の争いを描いたものである。  本書の主人公の沖田芳次郎は、父親の林太郎とともに新徴組に参加し、戊辰戦争の際には、庄内藩士の指揮する三番隊に加わり政府軍と戦うが、庄内藩の降伏後は…

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ザ・ラスト・サムライ

佐藤賢一の「ラ・ミッション−軍事顧問ブリュネ−」を読了した。著者は歴史小説・時代小説作家で、ヨーロッパ史を題材とした歴史小説を多く手掛けている。本書は、徳川幕府のフランス軍事顧問団(ラ・ミッション・ミリテール)の一員として来日し、箱館戦争終結まで旧幕府軍を指導したフランス人ジュール・ブリュネの半生を描いたものである。  陸軍軍制の近代化を目指す徳川幕府の要請により、ナポレオン三世の治下のフランス…