佐藤賢一「テンプル騎士団」

 中世の騎士団と言えば高貴でストイックなイメージがあり、興味を惹かれる。テンプル騎士団は元祖騎士団、十字軍の結成という時代の潮流に乗って成長し、十字軍の終焉と共に消えた流星のような存在であった。テンプル騎士団は初めに修道誓願を立てた。騎士だが、修道士のように清廉潔白に生きるという誓いである。高潔ではあるがあくまで信条の問題であり、大きな目的を持って設立された団体ではない。しかし、そんな経緯とはお構いなしに十字軍の潮流はテンプル騎士団に大きな役割を期待し、テンプル騎士団もそれに応えて大きな組織へと成長していく。

 テンプル騎士団の特徴はいくつかあり、まず