「春 愁」の日記一覧

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春愁や服の色柄派手に決め

 春愁を四角に詰めて電車かな 津田このみ  春愁や仄かに曇る窓硝子  アロマ  春愁をひらりと躱し鰻食ふ  能村登四郎  書き上げて春愁消えてをりにけり 稲畑汀子  春愁を言つてはをれぬ遅延稿 能村研三  うたたねといふ春愁の抜けどころ 伊藤愛子  春愁や服の色柄派手に決め  アロマ  春愁や蕎麦運ばれてくるまでを  山野みどり  春愁の顔をざぶりと洗ひけり 辻享子  春愁…

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親子旅タクシーの前雉過ぎる

 雉子鳴けば鼓膜がケンと揺れ動く 西沢勝  故郷の朝厨より雉を見る  アロマ  孵るなり巣立つが雉の習性と 郡良子  雉子の声ふたりに聞こえ朝のパン 大野英美  前庭に雉子舞ひ降りて輝けり 小田島成子  雉子鳴くや薬膳料理葛仕立  長谷川閑乙  濡れてゐる田の面を雉子の母子かな  宇田喜美栄    親子旅タクシーの前雉過ぎる  アロマ  裏庭…

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夕闇は優しさを秘め春愁よ

  薄曇りの空  回転寿司に行く   最初に山葵なす その他軍艦 握り フルーツ等   ドラッグストアーに寄って帰る  こはれ易げに春愁といふ言葉  後藤比奈夫  その人の春愁の句を覚えゐて  後藤夜半 底紅  トルソーに春愁なくもなかりけり  阿波野青畝  人なかに出て春愁をわすれけり  日野草城  人の世に灯のあることも春愁ひ  鷹羽狩行  春愁と問へば旅疲れと応ふ  …

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春愁や天丼食べる老舗かな

 春愁や一枚硝子に人動き  中谷葉留  春愁やワイン・グラスをはじく音  篠原幸子  春愁や鳥の音響く谷間に  アロマ  春愁の風が背なから降りてくる  荻野千枝    春愁や人形展の昭和の子  松山直美  アイロンをかけて春愁平らにす  大森春子  春愁の景色窓枠に切り取られ アロマ  春愁や樹間に赤き電車過ぎ  前田陶代子  春愁をハローキティーの便箋に  田中…

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春愁と共に歩んで公園へ

 春うらら一日小庭を掘り起す  村田文一  木登りの確と掴みし春うらら  飛山ますみ  春うらら庭の景色も楽し気に  アロマ  春うらら室の八島は烟るごと  湯浅康右  娘の家に遊びて一と日うららかに  桑田青虎  春うらら悦楽の日のジャズを聴く  もりもとのぎく    魚市の値札のにじみ春霙  多摩茜  春霙力饂飩の幟ばた  左官治郎  春霙越後の締めは塩にぎり…

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テーブルに淡い日差しの夕間暮

 冷え込んできた  明後日当たり雨が降るかも  体が怠い    初雪や門に橋あり夕間暮  榎本其角    蓑虫は地球の振子夕間暮  今井茅草  年玉や雪の小家の夕間暮  高浜虚子  春愁やひとりの窓のゆふまぐれ  日野草城  道のべの大桑籠や夕間暮  橋本鶏二 年輪  窓の外ほのか茜の夕間暮  アロマ  じやがいもの花のさかりのゆふまぐれ  日野草城  空はまだ青く地上は夕間…

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教室の窓から飛ばす紙飛行機

 紙飛行機ふはりと止まり松の芯  桜井眞子  紙飛行機遠くまで飛び夏に入る  河野玲子  紙飛行機飛ばしてシナリオ書き換える  伊神舞子  教室の窓から飛ばす紙飛行機  アロマ  紙ヒコーキ飛ばして一人妻の反乱  岸本マチ子  春愁を紙飛行機にしてしまう  片山淳子  春泥に紙飛行機のゆるび行く  佐竹美保子

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紫酢漿草(むらさきかたばみ)花の愛らしく

 かたばみが咲いてボンペイ遺跡かな  加藤世津  かたばみに雨ぴちぴちと雀の子  矢島渚男  かたばみの花うつほどの雨ならず 竹内素風  かたばみの花に波音休暇村 木村蕪城  かたばみの花の宿にもなりにけり  乙二  かたばみの花の淋しきかぎりかな  高澤良一 素抱  かたばみの花の混み合ふ仏通寺  垪和久仁子  かたばみの花より淋し住みわかれ  三橋鷹女  かたばみの花大足が…