知らぬ間に二人となりぬ十三夜 中川二毫子 飛石のごとき漁火十三夜 清水谷法明 丹波より芋届きけり十三夜 阿部ひろし 佃路地照らし出されて十三夜 宮みさを 見なれたる英虞湾秋の色に満つ 山田をがたま 秋色や森のカフェの堅き椅子 森山のりこ 秋色の空と風ある屋上庭 新実貞子 ほとばしる谷川の音秋の色 渡辺安酔 秋色の絨毯とな…
いちにちの雨の夕澄む紫蘭かな 岡本眸 手を入れぬ庭に紫蘭の華やげり 柴田美佐子 花庭に紫蘭の一叢松の下 アロマ 紫蘭咲き日曜画家の集まれる 川口弘子 江ノ電に紫蘭のゆるる虚子旧居 陣野今日子 風土 郵便を待つや紫蘭の揺るる午後 大柳篤子 一年の巡りが速し紫蘭咲く 泉田秋硯 祐三のアトリエを観て紫蘭みる 森山のりこ 苔庭の一隅染むる…
落花にてつくる冷たき首飾り 嶋津治夫 小倉遊亀落花しばらく暮れなづむ 大島翠木 夕暮れの落花集めて鉢に盛る アロマ 落花中慣らし保育の子が帰る 石川元子 落花舞う横向きに揺らぎ楕円形 アロマ 江ノ電の警笛落花きりもなや 小山繁子 落花舞う揺らぐ楕円の横向きに アロマ 東閑堂落花は風のさざなみに 芝宮須磨子 風の出て落花自在に舞ひ上る…
伯耆富士雪をかぶれど春近し 家塚洋子 オムレツの丘がきらきら春近し 山元志津香 春近し道にはみ出す花屋の荷 井上春子 のびやかなチェロの余韻や春近し 北川とも子 一畝の分葱そよそよ春近し 鳥居美智子 江ノ電は光の小筐春近し 佐々木よし子 春近し高架行く列車の煌めきも アロマ 夕茜鈴鹿峰染め春近し 長崎桂子 春近し雨の中より兆す色 …
深山の寺の鐘鳴る晩夏光 小林美登里 晩夏光ななめに流れ野の木立 豊田都峰 晩夏光木立を縫って降り注ぐ アロマ 生き方をやわらかくして晩夏かな 柴田朱美 横になること多き日々晩夏昏れ 柴田朱美 鶺鴒のすべる歩みの晩夏かな 工藤ミネ子 晩夏光風に流るる遠鴎 玉田瑞穂 晩夏光遠くの峰々すっきりと アロマ 岩もまた波の形に島晩夏 森岡正作 …
江の島が鯨に見ゆる冬霞 宮脇白夜 夏の日に江の島見つつドライブす アロマ 家族で湘南海岸に泳ぐ夏 アロマ 江の島が大きく見ゆる冬の海 咲樹一樹 冠雪の富士見えて江ノ電が行く アロマ 江ノ島電鉄一日乗車券 アロマ ラムネ飲む江ノ島青く傾ぎおり 大給圭泉 江ノ島と富士のあひだに蒲団干す 大森春子 江の島にどつかと雲やお元日 横山節子 江の島に太鼓…