「シュタイン夫人」の日記一覧

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35、ゲーテ正式に結婚する

ゲーテは1788年6月18日、長いイタリア旅行からヴァイマルに帰ってきた。  アウグスト公の理解によって位階や肩書きはそのままで、イルメナウ鉱山委員会と絵画学校の主管者だけに留まり、従来の職務を免じられ雑務から解放された。  ゲーテの著作権の面倒を見てくれた心の友ヘルダーが、ひと月後に入れ替わるようにイタリアに旅発ち、後を追うようにその20日後にアマーリア公母も旅立った。  宮廷の大きな文化的な…

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33、シュタイン夫人との恋愛

ゲーテハウスを出て直ぐ右手の細い路地・ザイフェンガッセを公園の方に進むと、ほんの2,3分で右手に大きな三階建ての建物が現われる。これがシュタイン夫人の館であった。  シャルロッテ・フォン・シュタインはアイゼナハで、式武官のフォン・シャルト家にゲーテより7年早く生まれた。  15歳でアンナ・アマーリア公太后の女官になって、22歳で主馬頭フリードリヒ・フォン・シュタインと結婚。  9年間に7人の子を…

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ゲーテは何故、イタリアに旅立ったのか

21日にゲーテ著・相良守峯訳『イタリア紀行』(上)岩波文庫を読了した。  4年前に求めた牧野宣彦著『ゲーテ「イタリア紀行」を旅する』集英社ビジュアル新書を併せて再読しだした。  著者がこの本を書こうと思ったのは、イタリアに造詣が深く、大変な読書家の友人が『イタリア紀行』を途中で挫折していることを聞かされ、ゲーテの訪れた場所の写真がないと読むのが難しい作品だと改めて痛感したからだという。  現に著…