キャサリン・ライアン・ハワードの「ナッシング・マン」を読了した。著者はアイルランド在住のミステリー作家で、世界各地を旅行して様々な職業に就いた後帰郷し、作家としてデビューしている。本書は、連続殺人犯に家族全員を殺害された被害者が、その犯人の正体を暴くために十八年後に上梓したノンフィクションを読んだ犯人の心の葛藤を描いたサイコサスペンスである。なお、本書では被害者の家族が上梓した作中作の「ナッシ…

　キャサリン・ライアン・ハワードの「５６日間」を読了した。著者はアイルランド在住のミステリー作家で、世界各地を旅行して様々な職業に就いた後帰郷し、作家としてデビューしている。本書は、新型コロナウイルスが猛威を振るうダブリンで出会った男女の愛と、その後に起こった男性の謎の死を描いたサスペンス小説である。なお、本書ではその男性の死の捜査の状況と、男性の遺体が発見された日の五十六日前に出会った男女のそ…

　キャサリン・ライアン・ハワードの「遭難信号」を読了した。著者はアイルランド在住のミステリー作家で、世界各地を旅行して様々な職業に就いた後帰郷し、本書で作家デビューした様である。本書は、仕事で海外出張に出かけた筈なのに、クルーズ船に乗り込んだ後姿を消した女性の行方を追う恋人の姿を描いたミステリである。 　本書では、三人の視点からなるストーリーが交互に描かれている。第一は、主人公のアダム・ダンが恋…