民主的より封建的であろうとする精神
「民主主義」とは突き詰めて説明するなら、 個人の「権利」を、 集団主義的価値より優先する事を意味している。 日本の場合、 戦後の「国民主権」を高らかに謳う憲法の制定を歓喜で迎えた民衆が居たのと同時に、 敗戦の占領下で民主化に切り替えられたと言う歴史が背中合わせに共存していた。 この組み合わせは、 どうやら国民的トラウマの矛盾となり、個人の権利に関する「民主教育」を、 利己主…
「民主主義」とは突き詰めて説明するなら、 個人の「権利」を、 集団主義的価値より優先する事を意味している。 日本の場合、 戦後の「国民主権」を高らかに謳う憲法の制定を歓喜で迎えた民衆が居たのと同時に、 敗戦の占領下で民主化に切り替えられたと言う歴史が背中合わせに共存していた。 この組み合わせは、 どうやら国民的トラウマの矛盾となり、個人の権利に関する「民主教育」を、 利己主…
大江健三郎著『定義集』-朝日新聞出版-は、 新聞紙上に2006年〜2012年までの月1回、大江氏が掲載したエッセイをまとめた本だ。 「自分で定義することを企てる」の題は次のような内容。 「 〜その六年間、文字面からは落ち着いた女性に思える読者から、 毎月、不思議な記号つきの短評が寄せられました。 30/124。 〜私は中野重治の短編を読み返して、その独特さに引用しないではいられなかった。…