うどん屋にコスモス味噌屋には鶏頭(妙義山麓) 　細見綾子 　コスモスの一輪月にとどきたる　 山口青邨 　コスモスの凡そ百輪色同じ 　水原秋櫻子 餘生 　コスモスの押しよせてゐる厨口　 清崎敏郎 　小さき町にコスモス溢れ鳴る汽笛 　飴山實 おりいぶ 　頭痛の心痛の腰痛のコスモス 　金子兜太 　 風去れば色とり戻す秋桜 　稲畑汀子 　高揺れて翳ゆれて日の秋ざくら　 鷲谷七菜子 銃…

　われら帆のごと陸橋の夏の暮 　永島靖子 　桃遠く咲く陸橋に少年暮る 　宮坂静生 山開 　寒の終り陸橋に風執着し 　佐藤鬼房 　町凍る陸橋の裾引き入れて 　宮津昭彦 　使われず陸橋の青冴え冴えと　アロマ 　夜勤明けの男陸橋越すとき汽笛 　古沢太穂 火雲 　陸橋から穂芒もレールも夕日の中 　シヤツと雑草 栗林一石路 　陸橋のらせん階段樟若葉 　森田 たえ 　陸橋歩む青空を独り占…

　この頃の空コスモスの色似合ふ　 後藤比奈夫 　コスモスの夕やさしくものがたり　 松本たかし 　午後のの陽射しにコスモス揺れ靡く　　アロマ 　コスモスの明るさにごみ掃きいだす 　細見綾子 　コスモスはどこにも咲いて駅の花　 鷹羽狩行 　コスモスや夜目にもしるき白ばかり　 日野草城 　コスモスや客に恋はるゝ湯女頭 　日野草城 　コスモスや屋根明るくて湖に寺 　森澄雄 　コスモスや…

　大寒に聞くユーチューブのピアノ　　アロマ 　大寒の水ひと息の二日酔　 河野南畦 湖の森 　大寒の水を豊かに染工場 　村上清人 　大寒の汽笛や白き道の上　 草間時彦 櫻山 　大寒の没日わが肺汚れたらむ 　藤田湘子 雲の流域 　大寒の河みなぎりて光りけり 　桂信子 黄 瀬 　大寒の海の厚さと見られけり 　石塚友二 光塵 　大寒の海ふた色や潮暦 　大木あまり 火球 　大寒の海より男…