「ローマの休日」が面白い その11:結構な生活
(シーン) ジョーのアパートの大家であるジョバンニの妻ルイーザが掃除用具を持って部屋にやって来る。 (ちょっと一言) ジョバンニが鶴のように痩せているのに対し、妻のルイーザはイタリアの高齢の女性によく見られる太り型。 このルイーザを演じているのはパオラ・ボルボーニ。 「ローマの休日」が公開された1953年、彼女はこの映画を含めて8本の映画に出演している。脇役であったとはいえ一年に8本の映画に…
(シーン) ジョーのアパートの大家であるジョバンニの妻ルイーザが掃除用具を持って部屋にやって来る。 (ちょっと一言) ジョバンニが鶴のように痩せているのに対し、妻のルイーザはイタリアの高齢の女性によく見られる太り型。 このルイーザを演じているのはパオラ・ボルボーニ。 「ローマの休日」が公開された1953年、彼女はこの映画を含めて8本の映画に出演している。脇役であったとはいえ一年に8本の映画に…
(シーン) アン王女が眠っている自分のアパートに帰ってきたジョー。 やがてアンは眼をさまし、自分が今どこにいて何をしているかを理解していく… (ちょっと一言) 目を覚ましたアンは自分がパジャマを着ていることに気付く。 Are these yours?「これはあなたのパジャマ?」 と尋ねた後で、ハッとした表情で布団の下に手を入れる。 何かを確かめた後でホッとした表情が彼女の顔に浮かぶが、この間何…
(シーン) 翌朝、ジョーが目を覚ますと隣の長椅子で寝ている女の脚が見える。我に返って急いでカーテンを開けてみると教会の大時計は12時を指している。 まずい、遅刻だ。 ジョーは勤務先の新聞社に駆けつける。 (ちょっと一言) ジョーが新聞社「アメリカン・ニューズ・サービス」のオフィスに駆け込むと社長秘書のリッカルディが 「支社長のヘネシーさんが探していたわよ」 と言う。 この場面で私の好奇心が刺激…
(シーン) タクシーを降りたジョーとアン王女。 ジョーはフラフラするアンを連れて自分のアパートにたどり着く。 (チョットひとこと) ジョーの部屋に入るなりアンはこう言う。 Is this the elevator?(これはエレベーターですか?) これにはいささかプライドを傷つけられたジョーは It's my room.(僕の部屋だ) ときっぱりと答える。 私でも自分の部屋をエレベーターと間違わ…
(シーン) 夜、古代ローマ市の広場の遺跡であるフォロ・ロマーノ。 ジョーは石のベンチで寝ている若い女を見かける。 彼女を送っていこうとタクシーを呼び止める。 (チョットひとこと) タクシーを見たアンは It's a taxi! (タクシーじゃないの!) と驚きの声を上げる。 やんごとなき身分の王女であるアンはタクシーに乗る事など今までなかったのだろう。 ジョーの口笛で停まったタクシーをよく見て…
(シーン) ローマ在住のアメリカ人記者たちがポーカーのテーブルを囲んでいる (チョットひとこと) テーブルの上には灰皿、飲み物の入ったグラスと掛け金の札。 彼等は軽口をたたきながらポーカーをしているが、このシーンではポーカーの手について面白い表現が出てくる。 ジョーが言う。 three shy little sevens 数字の7がシャイということだが、私の下手な訳で言うと「内気で控えめな7の…
宿泊先の大使館の寝室。 世話役の伯爵夫人はアン王女に明翌日のスケジュールを説明する。 「8時30分、大使館のスタッフとこちらで朝食」 昼食はと言うと 「1時ちょうど、外務省の方々と昼食」 つまりアン王女は、朝食も昼食も一人でゆっくりと楽しむことは出来ず、指定された時間に初対面の他人の視線の中で食べなければならないのだ。 ヘプバーンの映画で朝食というと「ティファニーで朝食を」が頭に浮かぶ。 19…