あした発つ水仙郷の菰包み 伊藤敬子 しづもれば陶の固さに水仙花 佐藤美恵子 北庭の終日いてゝ水仙花 坦々 尼が買ふ蛸と水仙由比ケ浜 大木あまり 火のいろに 岩山や水仙かをる風の間 幸田露伴 竹芝集 水仙のうしろの怒濤暮れて来し 赤尾恵以 冬の朝水仙の香の凛として アロマ 水仙に鼬とぶなり雪舟寺 廣江八重櫻 水仙の束とくや花ふるへつゝ 渡辺水…
高層に夜廻りひびく年の暮 小林はる子 鮟鱇も河豚も喰ふなり年の暮 寺田寅彦 鮠の子のかたまりが濃し年の暮 波多野爽波 『骰子』 鯉の目を覆ふ濡れ紙年暮るる 鈴木八洲彦 鰤の尾を提げて立ちけり年の暮 水田正秀 鰤は太り秋刀魚は痩せて年の暮 鈴木真砂女 夕螢 鳥越に岩海苔食うも年の暮 檜山哲彦 鳥逃げし枝のさゆれや年の暮 久保田万太郎 年の暮れイルミ…
「アロマ」の句 数の子を買って出汁と合わせたり 鴎舞う山下公園冬日差し コートはツイード七色彩なして ワインカラーのブーツで雪に闊歩 冬の街吾子連れて買う縫い包み 帰省して大晦日一人デパートに 上海よりの機上に日本沿岸眺め 年忘れジンジャーエールやや薄く しゃぶしゃぶ食べ放題の忘年会 冬の街夢見る如く灯りゆく 吾子乗せて車走らす暮れの街 …