寒の雨 硝子戸濡らし夜が明ける  



 あした発つ水仙郷の菰包み  伊藤敬子

 しづもれば陶の固さに水仙花  佐藤美恵子

 北庭の終日いてゝ水仙花  坦々

 尼が買ふ蛸と水仙由比ケ浜 大木あまり  火のいろに

 岩山や水仙かをる風の間  幸田露伴 竹芝集

 水仙のうしろの怒濤暮れて来し  赤尾恵以

 冬の朝水仙の香の凛として  アロマ

 水仙に鼬とぶなり雪舟寺  廣江八重櫻

 水仙の束とくや花ふるへつゝ  渡辺水巴 白日

 水仙を一もと切って教卓へ  アロマ

 水仙の潮の光りを盃に  平井久美子

 水仙は庭に耀き菜の御御御付  アロマ

 水仙の蕾のままに活けてあり