おぼろ夜の桜吹雪を知つてをり 角川春樹 ゆふざくらを往きて夜桜を復る 亀丸公俊 夜桜の公園段々降りる人 アロマ 夜桜に三線長けて名護城址 伊舎堂根自子 夜桜や修善寺に買ふ髪飾り 南雲秀子 夜桜や灯明ゆらり人ゆらり 広戸英二 夜桜や真珠のピアスつけしまま 徳田千鶴子 夜桜やハートのプラチナイヤリング アロマ 夜桜や星あふるると誰か言ふ …
旅人の寝息をつつむ花の闇 山田弘子 「羅生門」の琵琶の語りや花の闇 坂根宏子 花の闇一人の空間心地良く アロマ 花の闇老ひも若きも艶めきて 後藤マツエ 蔵王堂のまはりあまねく花の闇 橋本順子 ひとひらもこぼすことなく花の闇 今橋眞理子 宵闇の蒼さに透けて花の闇 アロマ 花の闇ふとあの人に会へさうな 稲畑廣太郎 う…
花心のせしハンドルさばきかな 稲畑汀子 み吉野の花の奈落の宿に入る 稲畑汀子 巫女舞の特訓つづく花月夜 阪本哲弘 花ふぶくどの木どの枝綯ひまぜて 能村研三 厨にて花吹雪見つつ水仕する アロマ オルゴールの終の一音花月夜 林多佳子 花が散る散る韋駄天の足の裏 中島陽華 虚空より花の散り来る蔵王堂 熊岡俊子 真つ白になりゆく記憶花の昼…
み吉野の旅のはじまる花曇 稲畑汀子 遠目にもしかと吉野の初桜 有吉桜雲 吉野より春満月の野を帰る 三由規童 み吉野の朝のはじまる百千鳥 稲畑汀子 み吉野の秋に訪れ春思う アロマ 櫻湯や吉野の一重ひらきをり 瀧春一 櫻咲く一期一会の吉野山 松隈絹子 深吉野や天長節の蕨飯 瀧春一 吉野駅花に溺れてゐたりけり 稲岡長 病みてな…
放課後の廊下辿れば冬銀河 湯浅夏以 冬銀河マグで飲みゐる白ワイン 岡田万壽美 冬銀河見上げればただ美しく アロマ 新宿に手のひらほどの冬銀河 菅原健一 晩節も尽きぬ夢あり冬銀河 赤羽正行 冬銀河ピーターパンがその窓に 山崎祐子 冬銀河スプーンの音とボールペン 大山里 山に添ふホテルの窓の冬銀河 芝宮須磨子 冬銀河夜行列車の旅つづ…
湯葉の帯解く汁椀や紅葉冷え 嶋田麻紀 滑らかな鳥語頭上に紅葉狩 皆川盤水 紅葉する小一時間を境内に アロマ 滝の前漆紅葉のひるがへり 中谷朔風 湖の波寄せて音なし草紅葉 深見けん二 夕茜紅葉を浸し暮れ落ちる アロマ 湯の町のけだるさ残り朝紅葉 今田述 渋滞の天まで続く紅葉狩 三宅 桂 清姫の恋に燃えつき櫨紅葉 林 博子 湯煙の紅葉になび…
朝は秋刀魚の干物を オーブントースターで焼く 白菜の漬物 辣韭 珈琲にお茶 水 プアール茶 初蝶に遇ひすぐ別の蝶に遇ふ 太田英友 初蝶に開封の文覗かるる 石川文子 初蝶のうす紫にとび消えし 星野立子 初蝶のおののきをもて開封す 吉田美和 初蝶かもしれぬ身の回り飛ぶ アロマ 初蝶の吹かれまぎれぬ二輪草 八木林之介 青霞集 初蝶の来し方行…
「アロマ」の句 小蕪の味噌汁美味し葉っぱまで 秋深く紅葉闌れて山の奥 建長寺夫と訪う秋景色 羅漢寺の五百羅漢を見て過ぎる 紅い蔦絡む煉瓦の建物に 秋晴れに金木犀の匂い立ち 蔵王堂紅葉は見事迫り出して 神無月台風一過猶風強く 奥日光満月を背に露天風呂 霜月の湯滝辺りに積雪よ 「川端茅舎」の句 芋の葉を目深に馬頭観世音 月出でし…