「万燈会」の日記一覧

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火鉢で焙ったかき餅仄甘し

   「アロマ」の句  年の暮れ街の喧騒気忙しく  二十歳の冬に黒味がかったルージュ買う  ジングルベル響く街のアーケード  闊歩するブーツロングのワインカラー  火鉢で焙ったかき餅仄甘し  あんぽ柿滴る甘さ柔らかく  雪の夜半街並み静か歩を運ぶ  シチュー煮て湯気立ち上る年の暮れ  クリスマス樅の木に金の星飾る  空港にポインセチア飾られて  のんびりと柚子湯に浸か…

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夜空に煌めく銀河丘の上

 終戦の夜のあけしらむ天の川  飯田蛇笏  小屋の上銀河懸ると思ひ寝る  福田蓼汀 山火  夜の散歩銀河の岸にそふ如し  井沢正江 晩蝉  湯手拭銀河に掛けて泊りけり  橋本鶏二  此頃の銀河や落てそばの花  松岡青蘿  夜空に煌めく銀河丘の上  アロマ  海の上にうつり動ける銀河かな  長谷川かな女 雨 月  漕ぐ舟を廻せば銀河まはるなり  松本たかし  筑紫次郎やがて銀河…

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柵向こう茶粥食べつつ鹿を見る

 鹿の音やある夜は川を越えて来る  鳥酔  鹿に餌を一度にとられ立ちつくす  高浜朋子  鹿に見えをりてわれらに見えぬもの  後藤比奈夫 紅加茂  鹿に指ねぶらせ紅葉見てをりし  西本一都 景色  鹿に乗る神もまします旅路かな  高浜虚子  鹿のかたちの流木空に水流れ  金子兜太 蜿蜿  鹿のこゑ明恵は月を浴びゐるか  橋本 榮治  鹿のにほひはたわがにほひ真の闇  鷲谷七菜子 …