初しぐれ松の葉の先づ雫して 丸尾和子 いつ降つていつ降り止みし初時雨 加藤弘一 初しぐれ夢見る如く枯野染め アロマ 初しぐれ予約時間を気にしつゝ 古林田鶴子 七宝の深きくれなゐ初時雨 大川ゆかり 初時雨母と日比谷を歩きけり 亀田やす子 モネの池通りすぎたる初しぐれ 中谷富子 茶畑の静けさにあり初時雨 塩見治郎 沖合…
法隆寺までの一キロ藁塚の立つ 神蔵器 藁塚の一つ一つに影伸びる 森田子月 団栗や樹上の栗鼠と目の合へり 外山節子 初しぐれ花見小路の丸ポスト 多方清子 初時雨鎌倉に買ふ夫婦箸 當麻幸子 初時雨あちらこちらの紅葉かな アロマ 陸橋に見送る列車初時雨 近藤真夫 初しぐれ振り向く山に薄日さす 鎌倉喜久恵 草はらのほの…
青時雨さわさわと鳴る梢かな アロマ 青時雨風の匂ひの観世音 吉澤恵美子 青しぐれ回転ドアに背を押され 松本三千夫 白い椅子白いテーブル初時雨 森津三郎 茶碗蒸作り母訪ふ初時雨 中村公代 初時雨湖畔の宿の灯りけり 近藤真夫 風鐸に音のこもれり初時雨 神蔵器 初時雨古都の町並艶めきて 稲畑廣太郎 濃きは山淡きは雲か初しぐれ 鷹…
台風シーズン今年の十月如何に アロマ 台風襲来スズメバチ巣を作る アロマ 十月の素足平均台に乗る 今井聖 十月の紺たつぷりと画布の上 福永耕二 十月の草色したる馬の糞 大木あまり 雲の塔 十月の萌葱のべたりうまごやし 木津柳芽 白鷺抄 十月の落葉は青くあたらしく 阿部みどり女 十月の蚊帳しと~と覚めゐたり 米沢吾亦紅 童顔 十月の路上…