シベリアの異邦人~完結編~後編(戦後編)
戦後編 ヨアンナとアダムの住む ささやかなアパートの一室に 赤軍兵の一団が踏み込もうとした少し前、 ヨアンナはフィリプの死を知らされず 普段と変わらぬ日常を過ごしていた。 この日も青年会つながりで いつも世話を焼きに来る近所の女性が たまたま来ていた。 その手伝いの女性が休憩中、 わんぱく息子のアダムが蜂に刺されて 火がついたように泣き叫んだ。 アパートの裏手の狭い所で、…
戦後編 ヨアンナとアダムの住む ささやかなアパートの一室に 赤軍兵の一団が踏み込もうとした少し前、 ヨアンナはフィリプの死を知らされず 普段と変わらぬ日常を過ごしていた。 この日も青年会つながりで いつも世話を焼きに来る近所の女性が たまたま来ていた。 その手伝いの女性が休憩中、 わんぱく息子のアダムが蜂に刺されて 火がついたように泣き叫んだ。 アパートの裏手の狭い所で、…
前編 蜂起編でのヨアンナの結婚後の描写と その後の世界を付け加えると共に、 死後の異なる世界も合わせて本編で加筆したい。 ワルシャワゲットー蜂起鎮圧から ふさぎ込むヨアンナが、 再び快活さを取り戻すべく通い詰めたフィリプが、 彼女の心を掴み、 愛を獲得することに成功したのが、 1943年7月初めの頃だった。 巷ではまだゲットー蜂起の 逃亡ユダヤ人狩りが終息しておらず…