「曲亭馬琴」の日記一覧

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朝井まかて の 「秘密の花園」

★3.4 戯作者曲亭馬琴の生涯。これまで群ようこの「馬琴の嫁」、西條奈加「曲亭の家」、梓澤要「ゆすらうめ(恋戦恋勝)」などを読んできたが、いずれも嫁の路の視点だった。自身の視点となる小説は初めて。 以下、気になったことをメモしてみた。 旗本の家臣の家に生まれたが、主君に仕えることができない性格。浪人になったのは22歳。俳諧仲間などを頼り何とか生活していたが、戯作者で有名な山東京伝に押しかけの弟…

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曲亭馬琴 白井喬二訳の「現代語訳 南総里見八犬伝 上下」

〈上巻〉★3.5 嘉吉元年(1441年)の結城の合戦(史実)に始まる。これは元の鎌倉公方・足利持氏の遺児を擁立ししての、室町幕府に対して反乱である。八犬伝では父親と一緒に結城側で戦った里見義実が、死を決意した父親と別れて落ち延びる。 義実はやがて安房の地で再興を成す。だが、近隣との戦で窮地に立った義実は、飼犬の八房に「敵将の首を取ってきたら娘の伏姫を与える」と戯れを言ってしまう。八房はそれを実現…